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総量規制を超えて借りられる?例外・除外と対象外の借入

監修:梶山 友樹(ファイナンシャルプランナー)

執筆・編集:カードローンおすすめ比較隊 編集部

総量規制を超えて借りられるか

この記事で分かること

  • 総量規制とは何か、どんな借入が対象になるのか
  • 年収の3分の1を超えて借りられる「例外」と「除外」のしくみ
  • 銀行カードローンが総量規制の対象外である理由と、その注意点
  • 総量規制の上限に達したときに、本当に考えるべきこと
  • 「総量規制オーバーでも借りられる」とうたう業者の危険性

「もう年収の3分の1まで借りてしまった。でも、どうしてもあと少し必要」。そんなとき、「総量規制オーバーでも借りられる」という言葉を見かけると、つい期待してしまいますよね。

最初にはっきりお伝えします。消費者金融などの貸金業者から、年収の3分の1を超えて新たに借りることは、原則としてできません。これは貸金業法で決められたルールで、どの貸金業者も守らなければならないものです。

ただし、法律には「例外」と「除外」というしくみがあります。借金をまとめて返済の負担を軽くする「おまとめローン」などは、総量規制を超えていても認められる場合があります。また、銀行カードローンは、そもそも総量規制の対象ではありません。

この記事では、総量規制のしくみと、年収の3分の1を超えて借りられる正しいケース、そして上限に達してしまったときに本当に考えるべきことを、分かりやすく解説します。

総量規制とは?

貸金業者からの借入を年収の3分の1までに制限するルール

まずは、総量規制がどんなルールなのかを確認しておきましょう。総量規制とは、貸金業法で定められた、貸金業者からの個人の借入を、合計で年収の3分の1までに制限するルールです。借りすぎによる多重債務を防ぐために、2010年に完全施行されました。

総量規制の計算例

年収300万円 ÷ 3 = 100万円(貸金業者から借りられる上限)
A社の借入50万円+B社のキャッシング30万円=80万円
→ 新たに借りられるのは、最大で20万円

総量規制ができた背景

なぜこのようなルールがあるのか、背景も知っておくと理解が深まります。総量規制ができる前は、複数の消費者金融から次々に借りて、返済のために別の会社から借りる「多重債務」が大きな社会問題になっていました。そこで2006年に貸金業法が改正され、2010年6月に総量規制が完全に施行されました。同時に、金利の上限も引き下げられています。

つまり総量規制は、利用者が返せないほど借りてしまうのを防ぐためのルールです。「借りられなくなる不便なルール」と感じるかもしれませんが、本来は利用者を守るためにあるのです。

総量規制の「年収」に含まれる収入

上限を決める「年収」には、どんな収入が含まれるのでしょうか。

総量規制の年収に含まれる主な収入
含まれる主な収入 注意点
給与・賞与 税金などが引かれる前の額面で計算
年金 公的年金などの収入
個人事業主の事業収入 継続して得ている収入。確定申告書などで確認
不動産の賃貸収入など 定期的・継続的に得ている収入

一時的な収入や、継続性が確認できない収入は、年収として認められないことがあります。

収入証明書が必要になる基準

総量規制と深く関わるのが、収入証明書のルールです。貸金業者は、1社からの借入が50万円を超える場合や、他社を含めた借入の合計が100万円を超える場合に、収入証明書で年収を確認することが義務づけられています。総量規制の上限に近い人ほど、正確な年収の確認が求められると考えておきましょう。

総量規制の対象になる借入・ならない借入

すべての借入が総量規制の対象になるわけではありません。主な違いは次のとおりです。

総量規制の対象になる借入・ならない借入
対象になる(年収の3分の1に含める) 対象にならない
消費者金融のカードローン 銀行カードローン
クレジットカードのキャッシング 住宅ローン・自動車ローン
信販会社のカードローン クレジットカードのショッピング(分割・リボを含む)
貸金業者のフリーローン 信用金庫・信用組合・労働金庫などのローン

総量規制は「貸金業者からの借入」に対するルールです。銀行や信用金庫などは貸金業者ではないため、対象になりません。

年収別:上限まであといくら借りられる?

自分があといくら借りられるのか、目安を確認しておきましょう。

年収と借入残高から見た、新たに借りられる上限の目安(貸金業者の場合)
年収 上限(年収の3分の1) 借入残高50万円の場合 借入残高80万円の場合
150万円 50万円 0円 0円(上限超え)
240万円 80万円 30万円 0円
300万円 100万円 50万円 20万円
450万円 150万円 100万円 70万円

これは法律上の上限です。実際に借りられる金額は審査で決まり、多くの場合はもっと少なくなります。

総量規制の上限に達するとどうなる?

上限に達したとき、何が起きるのかも知っておきたいところです。貸金業者からの借入の合計が年収の3分の1に達すると、新たな借入ができなくなります。すでに借りている分を一括で返すよう求められるわけではありませんが、限度額に空きがあっても追加で借りられなくなったり、キャッシング枠が減らされたりすることがあります。

年収の3分の1を超えて借りられる「除外」と「例外」

ここからが、この記事でいちばんお伝えしたいところです。総量規制には、「除外」と「例外」という2つのしくみがあります。名前は似ていますが、意味が違います。

総量規制の「除外」と「例外」の違い
除外 例外
意味 総量規制の対象から外れる借入 総量規制の対象だが、条件を満たせば年収の3分の1を超えても借りられる借入
借入残高の計算 年収の3分の1の計算に含めない 年収の3分の1の計算に含める
主な例 住宅ローン、自動車ローン、有担保の借入など おまとめ・借り換え、緊急の医療費、配偶者貸付、個人事業主の事業資金など

「除外」になる主な借入

除外になるのは、主に次のような借入です。

  • 住宅の購入や改良のための借入(住宅ローンなど)
  • 自動車の購入のための借入(自動車ローンなど)
  • 高額療養費の支給を受けるまでの借入
  • 不動産や有価証券を担保にした借入
  • 売却予定の不動産の代金で返す借入

これらは、そもそも総量規制の計算に含めません。たとえば住宅ローンが2,000万円あっても、カードローンの借入可能額の計算には影響しません。

「例外」になる主な借入

例外になるのは、主に次のような借入です。

総量規制の主な「例外」
例外 内容
顧客に一方的に有利な借り換え(おまとめローン) 今の借入をまとめて、返済の負担が軽くなる借り換え
緊急の医療費の借入 社会通念上、緊急に必要と認められる医療費のための借入
配偶者貸付 配偶者の同意を得て、夫婦の年収を合算した3分の1以内の借入
個人事業主の事業資金 事業計画や収支計画などから、返済能力があると認められる借入
つなぎ融資 銀行などから確実に借りられる見込みがある場合の、それまでの短期間の借入

これらは、条件を満たせば年収の3分の1を超えても借りられます。ただし、どの例外も「審査なしで借りられる」わけではなく、返済能力をしっかり確認されます。

配偶者貸付のしくみ

専業主婦の方にとって大切な例外です。配偶者貸付は、本人の年収だけでなく、配偶者の年収を合算した金額の3分の1まで借りられるしくみです。

例:本人の年収60万円、配偶者の年収400万円の場合

本人だけなら:60万円 ÷ 3 = 20万円が上限
配偶者貸付なら:(60万円+400万円)÷ 3 = 約153万円が上限(配偶者の借入も合算して計算)

ただし、配偶者の同意書や、夫婦であることを証明する書類が必要です。配偶者に内緒で借りることはできません。また、配偶者貸付に対応している貸金業者は多くありません。

個人事業主の事業資金は例外になる

個人事業主が事業のために借りる場合は、総量規制の例外として扱われることがあります。ただし、事業計画や収支計画、資金計画などの書類から、返済できる見込みがあると認められる必要があります。生活費のための借入は例外にはなりません。事業資金なら、日本政策金融公庫や事業者向けのローンも検討しましょう。

例外を使うときに必要になる主な書類

例外で借りる場合は、通常より多くの書類が必要になります。

例外で借りるときに求められることが多い書類
例外 主な書類
おまとめ・借り換え 本人確認書類、収入証明書、他社の借入状況が分かるもの
緊急の医療費 医療費の請求書や見積書など
配偶者貸付 配偶者の同意書、婚姻関係を証明する書類(住民票など)
個人事業主の事業資金 確定申告書、事業計画書、収支計画書など

例外で借りるときは、通常の申込より書類が多く、審査も慎重になります。

緊急の医療費は、まず制度を確認する

緊急の医療費は総量規制の例外にあたる場合がありますが、借りる前に、負担を軽くする制度を確認しましょう。

  • 高額療養費制度:1か月の医療費の自己負担が上限額を超えた分が払い戻される
  • 限度額適用認定証(マイナ保険証での手続き):窓口での支払いを、はじめから上限額までにできる
  • 病院の分割払い:支払いが難しいときは、病院の窓口に相談できることがある

入院や手術で医療費が高額になっても、これらの制度で自己負担は大きく抑えられることがあります。

おまとめローンは総量規制を超えても借りられる

返済の負担が軽くなる借り換えは例外

総量規制を超えて借りられる、もっとも代表的なケースがこれです。すでに複数の貸金業者から借りていて、合計が年収の3分の1に近い場合でも、おまとめローンで1つにまとめることはできます。顧客にとって一方的に有利な借り換え、つまり返済の負担が軽くなる借り換えは、総量規制の例外とされているからです。

大手消費者金融のおまとめ・借り換え専用ローン

おまとめを考えるなら、まずは大手の専用商品を比べてみましょう。大手消費者金融の多くは、おまとめ・借り換え専用のローンを用意しています。

商品の名前や条件は変わることがあるので、申し込む前に公式サイトで確認してください。

おまとめローンで新たにお金を借りることはできない

ここは勘違いしやすいので、しっかり押さえておいてください。注意したいのは、おまとめローンは「借金をまとめるためのローン」で、新たにお金を借りるためのものではないことです。借りたお金はほかの借入の返済にあてられ、追加で借りることもできないのが一般的です。「総量規制を超えて借りられる」といっても、手元に使えるお金が増えるわけではありません。

おまとめローンを使うときの注意点

便利なおまとめローンにも、気をつけたいことがあります。

  • 審査はある:延滞がある、借入件数が多すぎるなどの場合は、審査に通るのが難しい
  • 返済の総額で比べる:毎月の返済額が下がっても、返済期間が延びて利息の合計が増えることがある
  • 完済した会社は解約する:契約が残っていると、また借りてしまう原因になる
  • まとめたあとは新しく借りない:借りてしまえば、元の状態より悪くなる

例えば、3社に分かれた合計60万円(各社年18.0%)を、年15.0%のおまとめローンにまとめて同じ金額を返し続ければ、利息を減らせる計算になります。ただし、毎月の返済額を下げすぎると、かえって総額が増えることもあります。

おまとめローンを選ぶときのポイント

複数の商品から選ぶときは、次の点を比べましょう。

  1. 金利:今の借入の平均金利(加重平均金利)より低くなるか
  2. まとめられる範囲:自分の借入がすべて対象になるか
  3. 返済期間と毎月の返済額:無理なく返せて、総額が増えすぎないか
  4. 他社への返済方法:会社が直接返済してくれるか、自分で返すのか

特に1つ目は大切です。金利が下がらないなら、まとめるメリットは管理が楽になることだけになります。

銀行カードローンは総量規制の対象外

銀行は貸金業者ではない

「なぜ銀行は対象外なの?」と疑問に思う方もいるでしょう。銀行カードローンは、貸金業法ではなく銀行法にもとづいて営業しているため、総量規制の対象外です。貸金業者からの借入が年収の3分の1に達していても、銀行カードローンに申し込むことはできます。

ただし、銀行も借りすぎを防ぐ審査をしている

対象外と聞いて安心するのは、まだ早いかもしれません。「銀行なら年収に関係なく借りられる」わけではありません。過去に銀行カードローンの貸しすぎが社会問題になったことから、銀行は自主的な取り組みとして、収入に見合った貸付になるよう審査を厳しくしています。

  • 他社からの借入の状況を、信用情報で確認する
  • 年収に対して、借入の合計が多すぎないかを見る
  • 申込当日の借入はできない(審査の過程で警察庁のデータベースへの照会があるため)

すでに貸金業者からの借入が年収の3分の1に達している人は、銀行の審査でも「返済の負担が大きい」と判断されやすくなります。対象外だからといって、審査に通りやすいわけではないのです。

対象外の借入でも、ほかの審査に影響する

見落としがちな点なので、補足しておきます。住宅ローンや銀行カードローンは総量規制の対象外ですが、借入であることに変わりはありません。たとえば、銀行カードローンの借入が多いと、住宅ローンや自動車ローンの審査で「返済の負担が大きい」と判断されることがあります。対象外だからといって、借りすぎていいわけではないのです。

総量規制の上限に達したときに考えるべきこと

まず「なぜ上限に達したのか」を考える

焦る気持ちは分かりますが、ここで一度立ち止まってください。年収の3分の1まで借りている状態は、それだけで返済の負担がかなり大きい状態です。

例:年収300万円で100万円借りている場合

年18.0%で毎月3万円ずつ返すと、完済までに約47か月、利息の合計は約40万円
手取り月収を約20万円とすると、毎月の収入の15%が返済に消える計算

ここからさらに借りようとするのではなく、今の借入をどう減らすかを考える段階です。

借入の一覧をつくる

今の状況を正確に知ることが、立て直しの第一歩です。借入先、残高、金利、毎月の返済額、返済日を一覧にしましょう。全体が見えると、どこから手をつければいいかが分かります。

おまとめで返済をまとめる

総量規制の例外を、正しく使う方法です。複数の借入があり、毎月の返済が苦しいなら、おまとめローンで1つにまとめて、金利と返済日を整理する方法があります。

借りずにお金を用意する

さらに借りる前に、ほかの方法がないか考えてみましょう。目の前のお金が足りないなら、借りずに用意する方法を先に考えましょう。

  • 支払いの期限を相談する(公共料金、携帯電話料金など)
  • 使っていない物を売る
  • 勤務先の給与前払いの制度を確認する
  • 生活が苦しい場合は、社会福祉協議会の生活福祉資金貸付制度を相談する

家計を見直して返済に回すお金をつくる

借入を減らすには、返済に回せるお金を増やすことも大切です。

  • 毎月の収入と支出を書き出し、何にいくら使っているかを把握する
  • スマホのプラン、保険、使っていないサブスクリプションなど、固定費を見直す
  • 浮いたお金を、金利の高い借入から優先して随時返済に回す

例えば、固定費を見直して毎月5,000円浮けば、1年で6万円を多く返せます。年18.0%の借入なら、その分の利息も減っていきます。

返済が難しいなら、専門家に相談する

一人で抱え込む必要はありません。返済のために新たな借入を考えているなら、それは借金が借金を呼ぶ状態の入り口です。弁護士や司法書士に相談すれば、将来の利息をなくして返済しやすくする任意整理など、借金そのものを減らす方法が見つかる場合があります。費用が心配な方は、収入などの条件を満たせば無料で法律相談を受けられる法テラス(日本司法支援センター)を利用できます。

総量規制の上限に達した人がやりがちな失敗

失敗1:何社にも申し込んで、どこにも通らなかった

上限に達していることに気づかず、消費者金融に次々と申し込んだ結果、すべて否決されてしまった。申込の記録も信用情報に残り、その後の審査にも響くことになりました。申し込む前に、自分の借入の合計と上限を計算しておきましょう。

失敗2:「総量規制オーバーOK」の業者に連絡してしまった

どこからも借りられず、ネットで見つけた「総量規制オーバーでもOK」という業者に連絡。保証金として数万円を振り込んだものの、お金は貸してもらえず、連絡も取れなくなった。典型的な融資詐欺の手口です。

失敗3:おまとめしたのに、空いた枠でまた借りた

おまとめローンで3社をまとめたあと、完済した会社の契約を残していたため、急な出費でまた借りてしまった。おまとめの返済と新しい借入が重なり、以前より苦しくなりました。

「総量規制オーバーでも借りられる」業者に注意

正規の貸金業者は総量規制を守っている

困っているときほど、甘い言葉には気をつけたいものです。「総量規制オーバーでもOK」「年収の3分の1を超えても貸します」「他社で断られた方も歓迎」とうたう業者には、注意してください。正規の貸金業者は、例外にあたる場合を除いて、年収の3分の1を超えて貸すことはできません。

ヤミ金の可能性が高い

手を出してしまうと、状況はもっと悪くなります。こうした宣伝をする業者は、無登録のヤミ金である可能性が高いでしょう。法外な利息を請求されたり、家族や職場に取り立ての連絡をされたりする被害が報告されています。正規の業者かどうかは、金融庁の「登録貸金業者情報検索サービス」で確認できます。

クレジットカードの現金化も危険

「借金ではないから大丈夫」と思うかもしれませんが、注意が必要です。ショッピング枠で商品を買って売り、現金を得る「現金化」は、カード会社の規約違反です。発覚すると、カードの利用停止や一括請求につながるおそれがあります。

総量規制についてよくある誤解

総量規制についてのよくある誤解と実際
よくある誤解 実際のところ
総量規制オーバーでも借りられる会社がある 正規の貸金業者は、例外を除いて年収の3分の1を超えて貸せない
おまとめローンなら追加でお金を借りられる おまとめはまとめるためのローン。手元のお金は増えない
銀行カードローンなら審査が甘い 対象外でも、収入に見合った慎重な審査がある
上限を超えたら一括返済を求められる 新たに借りられなくなるだけで、一括返済は求められない
住宅ローンも年収の3分の1に含まれる 住宅ローンは除外。計算に含めない

総量規制を超えないための管理のしかた

上限に達する前に、日ごろから次のことを意識しておきましょう。

  • 借入の合計を把握する:消費者金融とクレジットカードのキャッシングを合計する
  • 年収が変わったら届け出る:年収が下がると、上限も下がる
  • 使っていない契約は解約する:借りられる枠が残っていると、つい借りてしまう
  • 随時返済で残高を減らす:余裕のある月は多めに返す

ケース別:総量規制の上限に近いときは

ケース1:消費者金融3社で合計90万円、年収300万円

上限まで残りは10万円です。この10万円を借りてしまえば、完全に上限に達します。新たに借りるより、おまとめローンで1つにまとめて金利と返済日を整理することを検討しましょう。

ケース2:上限に達しているが、急な医療費が必要

命や健康に関わる出費は、待ったなしですよね。緊急の医療費は総量規制の例外にあたる場合があります。ただし、まずは高額療養費制度で自己負担を抑えられないか確認してください。医療費の支払いを分割できないか、病院に相談するのも一つの方法です。

ケース3:専業主婦で、配偶者の同意を得て借りたい

家族で話し合えているなら、選択肢があります。配偶者貸付に対応した貸金業者なら、夫婦の年収を合算した3分の1以内で借りられる場合があります。配偶者の同意書が必要です。本人に収入がない専業主婦でも申し込める銀行カードローンも選択肢です。

ケース4:転職して年収が下がり、上限を超えてしまった

年収が下がると、総量規制の上限も下がります。すでに借りている分を一括で返す必要はありませんが、新たな借入はできなくなります。毎月の返済を続けながら、随時返済で残高を減らしていきましょう。返済が苦しい場合は、早めに借入先に相談してください。

ケース5:個人事業主で、仕入れのためにまとまったお金が必要

事業資金なら、総量規制の例外として扱われる場合があります。ただし、事業計画などの書類で返済能力を示す必要があります。日本政策金融公庫や、事業者向けのローンもあわせて検討しましょう。

返済が苦しいときの相談先

返済が苦しいときの主な相談先
相談先 相談できること
借入先の貸金業者・銀行 返済日の変更、返済額の調整
日本貸金業協会の相談窓口 貸金業者からの借入や返済についての相談
法テラス(日本司法支援センター) 債務整理などの無料法律相談(収入などの条件あり)
弁護士・司法書士 任意整理・個人再生・自己破産などの手続き
社会福祉協議会 生活が苦しい世帯向けの公的な貸付の相談

どこに相談しても、恥ずかしいことはありません。早く相談するほど、選べる方法は多くなります。

総量規制に関するよくある質問

  1. 総量規制を超えている借入は、すぐに返さないといけませんか?
  2. 年収にはボーナスや副業の収入も含まれますか?
  3. クレジットカードのリボ払いは総量規制の対象ですか?
  4. 銀行カードローンなら、いくらでも借りられますか?
  5. 専業主婦は総量規制でまったく借りられないのですか?
  6. 総量規制の上限は、どこで確認できますか?
  7. 総量規制を超えていると、クレジットカードは作れませんか?

総量規制を超えている借入は、すぐに返さないといけませんか?

心配になる方も多いですが、答えはいいえです。年収が下がって結果的に上限を超えた場合でも、すでに借りている分を一括で返す必要はありません。ただし、新たな借入はできなくなります。

年収にはボーナスや副業の収入も含まれますか?

上限を計算するうえで、気になるところですよね。総量規制の年収には、給与やボーナス、年金、継続的な事業収入などが含まれます。どの収入が認められるかは貸金業者の審査で確認されるので、申込時に正確に申告しましょう。

クレジットカードのリボ払いは総量規制の対象ですか?

間違えやすいポイントです。ショッピングのリボ払いや分割払いは、総量規制の対象外です。キャッシングは対象です。

銀行カードローンなら、いくらでも借りられますか?

残念ながら、答えはいいえです。銀行カードローンは総量規制の対象外ですが、銀行は収入に見合った貸付になるよう慎重に審査しています。

専業主婦は総量規制でまったく借りられないのですか?

本人に収入がない専業主婦は、貸金業者からは原則として借りられません。ただし、配偶者の同意を得て夫婦の年収を合算する配偶者貸付に対応した会社なら、借りられる場合があります。また、配偶者に安定した収入があれば申し込める一部の銀行カードローンもあります。

総量規制の上限は、どこで確認できますか?

自分の年収を3で割った金額が上限の目安です。そこから、消費者金融やクレジットカードのキャッシングなど、貸金業者からの借入残高の合計を引けば、あといくら借りられるかの目安が分かります。借入の状況は、信用情報機関に開示請求をすれば確認できます。

総量規制を超えていると、クレジットカードは作れませんか?

クレジットカードのショッピング枠は総量規制の対象外なので、ショッピング機能だけのカードなら作れる可能性はあります。ただし、キャッシング枠は総量規制の対象なので、つけられないか、0円になることが多いでしょう。また、カード会社は割賦販売法にもとづく支払可能見込額の調査も行うため、借入が多いとショッピング枠の審査でも慎重に見られます。

まとめ:総量規制は「越える方法」より「守られている理由」を知ろう

  • 貸金業者からの借入は、年収の3分の1まで(総量規制)
  • 住宅ローンや有担保の借入などは除外、おまとめや緊急の医療費などは例外
  • おまとめローンは総量規制を超えても借りられるが、手元のお金は増えない
  • 銀行カードローンは対象外だが、収入に見合った審査がある
  • 「総量規制オーバーでもOK」とうたう業者はヤミ金の可能性が高い

総量規制は、借りすぎから利用者を守るためのルールです。「借りられない」のは不便に感じるかもしれませんが、それは同時に「これ以上の負担を背負わずに済む」ということでもあります。上限に達しているなら、それは「これ以上借りると返すのが難しくなる」というサインでもあります。新たに借りる方法を探すより、今の借入を減らす方法を一緒に考えていきましょう。

参考法令・公的資料

※ 本記事の情報は2026年10月23日時点のものです。法令の解釈や各社の商品内容は変わることがあるため、詳しくは各社の公式サイトや専門家にご確認ください。

この記事の監修者

梶山 友樹(かじやま ともき)

株式会社WinToWinコンサルティング 代表取締役
1級ファイナンシャル・プランニング技能士/CFP®認定者

1975年生まれ。生命保険業界で18年にわたり、契約者の財務相談に従事。2007年にCFP・1級FP技能士を取得し、税金・社会保険・金融商品に関する専門知識を深める。様々な専門家とのネットワークを構築し、財務分析を入り口に、多角的な視点で「お金を残す方法」を検証。2019年に株式会社WinToWinコンサルティングを設立し、経営者・個人事業主の財務コンサルティングを行う。

監修日:2026年10月23日

※監修者は記事内の専門的な内容の正確性を確認しています。掲載している商品・サービスの選定や広告には関与していません。

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